2. ファミコン吸い出し

2003年から、 パソファミがカメレオンUSBにより、USBでの吸い出しに対応しました。また、ファミコン以外にもスーファミやメガドライブなどの吸い出しに対応しました。製作代行もしていますので、とりあえず吸い出したいという方には最もお勧めです。


↓ここから下は従来のパラレルポートでの吸い出しの解説記事です。

(1) 回路図の入手

現在、ファミコンの吸い出し機の回路図は、 パソファミというエミュレータに付属しているものが最もポピュラーです。
パソファミの最新版のアーカイブを展開すると、KAIRO.TXTというテキストファイルができます。それが回路図です。この回路を間違いなく組めば、あなたもファミコンの吸い出しが行えるようになります。
KAIRO.TXT (8.17KB)   KAIRO.PDF (23.1KB)
KAIRO.PDFパッケージ版 (23.9KB)
注意: ゲームラボ01年4月号の32ページにパソファミ作者の安藤さんがファミコン吸い出し機の記事を書いていて、35ページに回路図が載っていますが、この回路図がなぜか間違っています(ファミコンコネクタのところで、前26〜となるはずが後26〜になっています。あと74HC393のGNDと+5Vがショートしているように見えます)。パソファミ付属のテキストファイルの方には間違いがありませんので、そちらをみて作りましょう。


(2) 部品を揃える

まず、KAIRO.TXTの中に部品表がありますので、そこにあるとおり部品を集めます。
ICなんてどこで買ったらいいかわからないって?そうですね。普段電子工作をしない方なら電子部品なんてどこで売ってるか知らないでしょう。地方に住んでいればなおさらです。でも、それでは始まりません。
と、いうことで電子部品屋を探しましょう。タウンページを使って調べるとか、身近で知っていそうな人に聞いたりするのが効果的だと思います。かくいう私も吸い出し機を作り始めるまでは地元の電子部品屋の存在なんて知らなかったんです。なので発見した時は新鮮な驚きがあったものです。
また、秋葉原まで行って部品調達してくるという作戦もあります。 千石電商というお店が有名みたいですね。
他にも通信販売を利用するという手もあります。CQ出版社から出版されている"トランジスタ技術"という本に通信販売の広告が載っていますのでこれを参考にすると良いです。トランジスタ技術は1冊700円前後です。
ICソケットKAIRO.TXTの部品表には含まれていませんが、絶対に用意しておいた方が良いものがあります。それは、ICソケット(写真左)です。
ICは、抵抗やダイオードなどの他の素子に比べて熱に弱いので、はんだ付を行うときに直付けを行うと壊れてしまうことがあります。そこで、はんだ付けを行うときはICソケットを基板につけて、はんだ付けが終わってからICをICソケットにはめる、というようにするとICが壊れる心配もなく、またICの交換も簡単にできるようになるのです。
ICソケットを買うときに、ひとつだけ注意して欲しいことがあります。それは、粗悪品を買ってはならないということです。ICソケットは1個20円から40円ほどで売っていますが、同じピン数のソケットでも安いものと高いものがあったりします。みればすぐにわかりますが、安物はめっきをしていないようで、はんだがなかなかつきません。はんだがなかなかつかないので、こてで温めすぎて、基板のパターンがとれてしまった・・・という最悪のケースになりがちです。ですので、ICソケットは必ず高い部品を買うことをお勧めします。高いといっても1個10円程度しか変わりませんし。
パソファミの回路では14ピンのICふたつと20ピンのICふたつを使いますから、ICソケットもそれにあわせて用意するとよいです。


(3) 回路組み立て

ここを削る必要がある部品が揃ったら、回路の組み立てへ進みますが、カセットコネクタはそのままでは回路に取り付けられません。左右の出っ張りを削る必要があります。(写真右)
まずニッパーを使ってある程度をばきばきっと切っておいてから金属のヤスリで削り、仕上げます。
さて、基板に部品のレイアウトをした後、配線を行っていきます。配線はひとつずつ確実に行っていきましょう。後で配線チェックを行った時に、間違いを発見して配線やり直しなんて事になると面倒です。
配線が終わったところから蛍光ペンで回路図にマーキングしながら作業を行っていくと、効率よく配線が行えます。信号線によって色の区別を行い、導線の色と回路図のマーキングの色をあわせて配線を行っていくと、更に効率が上がります。
ICのピン配置ですが、くぼみがある方を上向きに置いて左上が1番PINとなり、半時計回りにPIN番号が増えていきます。この配置は、おそらく全てのICで共通です。
14PINのICは7番PINがGND、14PINがVCC(電源の端子)となるようです。20PINのICは10番PINがGND、20番PINがVCCとなるようです。
パソファミの回路にはファミコンコネクタとプリンターポートにプルアップ抵抗をつけるようになっていますが、ここには集合抵抗をつけます(1個ずつ抵抗をつけてもいいのですが)。集合抵抗とは多数の抵抗をひとつのパッケージに収めたもので、ピン接続の方法はいろいろあるようです。ですが最もよく見かけるのは並列配置型というもので、これは各端子とCOMMON端子(点の印がついている端子)間にそれぞれ抵抗ができる仕組みになっています。集合抵抗を使ったプルアップについてはKAIRO.PDFを参考にして下さい。


(4) 吸い出す

パソファミには自動吸い出し機能がついていますので、これを利用して吸い出します。なお、パソファミは3000円のシェアウェアになっていて、ユーザー登録をしないと吸い出したファイルを保存できない制限があるようです。


(5) 完成品の写真。参考にして下さい。

エミュステ作3号機(V2)   エミュステ作4号機(V3)
ゆうちゃんだお〜さん作・上   ゆうちゃんだお〜さん作・下
うっちゃん作(V3.2)・上   うっちゃん作・下


(6) 資料

ファミコンが買えるお店のリスト   パラレルポート36pin←→25pin
ファミコン吸い出し結果リスト


(7) 謝辞

パソファミの回路図を解説・掲載するにあたって、事前に作者の安藤さんより許可を頂きました。またこの記事の作成にあたって、ゲームラボ97年8月号を参考にさせて頂きました。(記事の転載は一切行っていません。)


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